コース紹介

沿革 History

千葉大学と建築学コースの歴史

千葉大学は,昭和24年5月31日,当時千葉県内にあった千葉医科大学,同大学附属医学専門部及び薬学専門部, 千葉師範学校,千葉青年師範学校,東京工業専門学校,千葉農業専門学校の各旧制国立諸学校を包括して, 新制の国立総合大学として発足したものです。

発足当初の千葉大学は,5学部(学芸学部,医学部,薬学部,工芸学部,園芸学部)と 1研究所(腐敗研究所)から成っていましたが,その後何度かにわたって学部の拡充や改組が行われてきました。2016年の改組により,現在,国際教養学部,文学部,教育学部,法政経学部,理学部,工学部,園芸学部,医学部,薬学部,看護学部,の10学部で 構成されています。

また,学部の教育研究を基礎として,大学院が設置されており,教育研究組織として,人文公共学府,専門法務研究科, 教育学研究科, 融合理工学府,園芸学研究科,医学薬学府,看護学研究科,総合国際学位プログラムが,教員組織として国際学術研究院,人文科学研究院,社会科学研究院,理学研究院,工学研究院,園芸学研究院,医学研究院,薬学研究院,看護学研究院が置かれています。

千葉大学における建築学教育は新制大学発足以前の東京高等工芸学校に遡る長い歴史があります。学内改組に伴う組織や名称の変更を何度か経ていますが、一貫して建築学教育を続けており、これまでに多くの卒業生を輩出しています。

年表

1921年12月
東京高等工芸学校 木材工芸科創設

1944年4月
東京工業専門学校に改称 木材工業科,建築科に再編成

1949年5月
千葉大学設置 工芸学部二類(建築系)

1951年4月
工学部に改組 建築学科設置
学生定員は30名 建築計画、室内計画、建築構造学、建築構造材料、木工構造工作の5講座編成

1952年4月
工業短期大学部設置

1957年4月
木材工芸専攻も含む35名に増員

1964年4月
建築構造設計講座の設置が認められる。学生定員60名

1964年8月
松戸より西千葉へ移転

1965年4月
大学院工学研究科(修士課程)に建築学専攻設置
大学院の学生定員10名 建築史・居住学、建築計画、室内計画・木材工芸、建築構造学、建築構造設計、材料・施工の6講座編成

1968年4月
大学院定員12名に増員

1976年4月
工業短期大学部を工学部特設工学課程に改組。建築学科に防災工学講座設置、7講座編成

1978年4月
特設工学課程・環境造形計画専攻の改組
材料生産、居住計画、計画工学(客員)の各講座を特設工学課程から吸収した上で、 建築学科に昼夜開講型のBコースが発足。建築構造学、建築構造設計、建築生産、 防災工学の4講座を建築学科より分離、建築工学科新設。 学生定員は、 建築学科・建築工学科のA・B両コースあわせ115名 大学院の学生定員は14名

1982年4月
学年進行により大学院工学研究科を建築学専攻と建築工学専攻の2専攻に分離

1988年4月
大学院自然科学研究科博士課程設置。環境科学専攻居住空間学講座

1990年4月
大講座制導入により建築学科と建築工学科を再統合 4大講座11教育研究分野へ再構成

1994年4月
学年進行により大学院工学研究科を建築学専攻に改組

1996年4月
大学院工学研究科修士課程を大学院自然科学研究科博士前期課程に改組、 デザイン科学専攻となる。学生定員は建築系分が31名。博士後期課程に多様性科学専攻設置。地域多様性科学講座を構成

1998年4月
大学科制導入により意匠工学科と建築学科が合併してデザイン工学科を構成、 デザイン工学科・建築系となる。都市環境システム学科が新設され、一部教官がそちらへ転出するとともに、 デザイン工学科建築系は2大講座8研究分野に縮小。デザイン工学科建築系の学生定員はAコースのみ75名。 博士後期課程の改組により人間地球環境科学専攻となる。環境建築学講座、環境形成学講座を構成

2002年4月
学年進行により大学院自然科学研究科博士前期課程を改組。建築専攻となる。博士前期定員38名。

2004年4月
国立大学法人化(組織は変更無し)

2007年4月
大学院を改組し、教員の所属共々工学研究科 建築・都市科学専攻 建築学コースとなる。 博士前期定員45名、博士後期定員6名。住環境創造デザイン、環境形成マネジメント、構造安全計画の3教育研究領域を構成。

2008年4月
工学部を改組し、建築学科となる。学生定員70名

2017年4月
大学院と工学部を改組し、それぞれ,融合理工学府創成工学科建築学コースと総合工学科建築学コースとなる。大学院学生定員50名,学部学生定員69名

進路・就職先 Jobs and Recruit

工学部建築学コースの卒業生

近年の高度技術者のニーズの高まりを反映して、学部の卒業生の半数以上は大学院へ進学します。進学者の多くはそのまま大学院融合理工学府の建築学コースに進みますが、千葉大の他のコースや他大学の大学院に進む者もいます。

学部を卒業して就職する場合の就職先の大半は、建設会社・ハウスメーカー・不動産等の建築関係の会社となります。一方、業種としては建築関係ではないものの、自治体や鉄道会社および物販系等、社内に建築関連の部門があるところに就職する学生もいます。

大学院融合理工学府建築学コースの修了生

大学院前期課程を修了すると、殆どの者は大手設計会社・設計事務所・ゼネコン・設備会社・ハウスメーカー等の建築関係の会社に就職し、大学院の教育で得た専門技術を活かしていきます。構造や環境設備を専門とするものの中には企業の研究所に採用される者もいます。また、更に専門技術者として精進するために後期課程(博士課程)に進学する者もいます。後期課程の修了後は、企業の研究職や千葉大を始めとする大学の教職に就く者もいます。

アドミッションポリシー
Admission Policy

建築学コース(学部)のアドミッションポリシー

工学部総合工学科建築学コースでは「都市を含む現代社会の豊かな環境の構築と諸問題の解決に対し、工学的探究心を持ち、総合的かつ積極的に取り組む意欲のある人」を求めています。

入学までは、高等学校で履修した科目の基礎学力を身に付けることが必要です。加えて、現代社会の動向と芸術文化に関心を持ってください

博士前期課程のアドミッションポリシー

建築学コースが求める入学者

建築・都市に関する幅広い視点に立ち、かつ建築学の特定分野に関する深い知識を習得し、 高度専門技術者として活躍する意欲があり、総合的学問・技術である建築学を活かし、 実践に結び付けようとする熱意のある人を求めます。

入学者選抜の基本方針

建築学に関する幅広い基礎知識と英語、および複数の特定専門領域に関する科目を課しています。

博士後期課程のアドミッションポリシー

建築学コースが求める入学者

建築・都市に関する幅広い素養の上で、建築学の特定分野に関する深い知識を習得し、 専門研究者・専門技術者として活躍する意欲があり、さらに論理的かつ柔軟な思考を通じて、 最先端・高度な知識ベースを構築し、それを発展させようとする熱意のある人を求めます。

入学者選抜の基本方針

専門的な研究討論が可能なコミュニケーション能力、博士後期課程における研究計画の社会的・ 学問的意義の確認を行い、研究としての発展の可能性について口頭試問を行います。

JABEE

JABEE(日本技術者教育認定機構)における建築教育認定制度に対する建築学コースの対応

千葉大学工学部建築学科/総合工学科建築学コースは、責任ある建築教育機関として、東京高等工芸学校以来の伝統を大切に守りつつ、新しい社会の要請に応えるべく教育条件や環境の改善に一貫して取り組んできました。一方、この間、UIA(国際建築家連盟)が設計教育の国際基準を定めたり、JABEE(日本技術者教育認定機構)が設立され認定作業が開始されるなど、外囲条件が整えられてきました。

教育は、本来その教育機関が、自らの理念を明らかにし、それに基づいて建築教育機関としての教育条件を整備することが基本です。とはいえ、技術者教育や建築教育が、広く社会的共通基盤の構成に寄与していくべきことも事実です。この考え方にたって、本学科では、これら第三者機関による認定を積極的に受け入れていくことを方針としています。まず2003年には、建築系では第一番目となるJABEE認定を受けました。次いで、2008年度には、UIAの求める5~6年の一貫した建築教育に対応した、大学院まで含めたJABEE認定を受けました。現在は学部のJABEE認定を継続して更新しています

JABEE認定を受けた千葉大建築学科の卒業生は、国家資格である技術士の資格試験の第一次試験が免除されます。また、地方自治体の職員採用試験においても、JABEE認定プログラム卒業生の試験免除措置が行われることもあります。例えば、東京都の多摩市では建築技術系職員採用試験で第一次試験のうちの専門試験が免除されています(H28年度)。

総合工学科建築学コースで育成する技術者像とそのための学習・教育目標

建築学科/建築学コースでは、幅広い知識と深い洞察力を備え、安全・快適で美しい建築物を創造する高い専門能力を有する人材を養成することを目的としている。そのため、以下に掲げる能力・知識・理解を自ら獲得し、かつ研鑽を継続していく基盤を構築すること:

千葉大学大学院融合理工学府 建築学コースの建築設計・計画プログラムで育成する技術者像と、そのための学習・教育目標 (JABEE認定時のもの)

建築学コースでは、安全、快適、魅力的で持続可能な建築及び都市環境を構想・計画・設計しうる高度専門家の養成を行う。そのため、以下に掲げる能力・知識・理解を自ら獲得し、かつ研鑽を継続していくことができる基盤を構築すること:

シラバス

シラバス検索システムから閲覧できます。

履修フロー Flow

建築学コースのカリキュラムでは、将来、建築家を目指す人、設備や構造の技術者を目指す人など、様々な選択ができます。

建築を多面的に捉えられるように、また自分自身の個性を探れるように、3年生までは幅広い領域を学べるように構成されています。個性と創造力が重視される建築設計カリキュラムでは、少人数制の演習を実践し、個々にきめ細やかな指導を行っています。4年生になると、研究室に配属され、各専門領域に特化した研究を行うことになります。

大学院においては、設計・計画・歴史・環境設備・建築生産・構造等の専門を更に深めた高度な学習や研究を進めます。